最初にお伝えしたいのが、酷評である旨です。
そのため、そういった評価を見たくない方は、本稿を閉じて頂けると幸いです。
著者:SOW
絵 :三弥カズトモ
出版:GAGAGA文庫
~ 表紙 ~
活発そうな女勇者が少し悪だくみをしていそうに微笑んでいる姿から、
「はちゃめちゃ勇者がオモシロ世界で楽しく難題解決かな♪」
と想像して本書を手に取りました。
異世界のちょっと変わった文化を勇者の常識外能力でどうにかするタイプは、
読んでて「この後、どうなるんだろう?」と、ワクワクしますよね。
ではでは、目次構成から紹介していきます。
~ 目次 ~
前がたり
序 章「世界の半分に贈与税」
第1章「税金なんて払いたくない、絶対に」
第2章「税務相談、承ります」
第3章「無駄じゃない、無駄遣い」
第4章「人間の価値」
終 章「税とは、誰かを不幸にするためのものではない」
後ろがたり
感想など
前がたり
「ある冬の夜のこと」
描かれているのは、降り積もる雪とボロボロの少女。
そして、世間の大半が声にしない真実の気持ち
「全てお前の責任だ」
(そう、私もそう思います。)
少女は、とある「落胆させてくれた物」程度しか所持しておらず、
物語はそこから始まるようです。
序 章「世界の半分に贈与税」
勇者と魔王が対峙した際の会話と言えば、とある作品が有名になり過ぎて今では様式美となりつつある。
「世界の半分を・・・」
序盤の主な登場キャラクターは以下の4名
勇者(メイ・サー)
魔王(ブルー・ゲイセント)
宰相(センタラルバルド)
天使(ゼオス・メル)
そうですね、物語の方向性は「税金知識」×「ギャグ系」だと思います。
キャラクターとしても「逆に」の定番と言えば良いでしょうか。
勇者は、粗暴で銭ゲバな女性。
魔王は、威厳の足りない三男坊。
宰相は、まぁ一般的な宰相。
天使は、(神の力で)一方的に魔王を責め立てるオカタイお役所系。
さて、前ものがたりでの雰囲気はどこへやら。と言った感じです。
第1章「税金なんて払いたくない、絶対に」
序章のタイトルから話の流れが読めている方く、
冒頭の問答もオチが見えているかと思います(裏表紙に書いてありましたが)
そこから話は、課せられた税金の対策に向けて勇者達は無い知識を振り絞ったり、
いろいろな逃げ道を模索したりと展開されていきます。
総評
私の場合は、ですが1章を読み終えたところで本を閉じさせて頂きました…。
本書から学べたことは、
「内容の組み合わせはとても重要」
ですね。
「税金知識」×「ギャグ系」は、相性が悪いですね。
1章の大半は相続税に関する様々なことを、何とかギャグ方面で楽しく伝えようとしています。
しかし、私はライトノベルから「日本の税知識」を得ようとは思っておらず…。
ライトノベルは楽しくワクワクしたいんです。
知識/勉強から逃れたいのです!
知識を得たいのであれば、専門書から正しく学びますので…。
個人的なアレ
「あとがき」を読んで解ったのですが、
著者が税務調査を食らったのがきっかけだそうです。
その際に得た知識をライトノベルで表現したとのこと。
なるほど納得です。
私もそういう経験がありますので刺さりますね。
その反省から得たのは
「得た知識をそのまま表現しても面白くない」
ですね。
もっと言うと
「個性が感じられない」
(話の主軸が税金になっているので)
何を求めていたか
「日本の税知識を楽しく」というのは面白く感じたので、
それを異世界のちょっと変わった考え方にアレンジしたいですね。
贈与税であれば、単純に徴収されるものではなく
「受け取ったものを正しく得るためには何が必要か」。
そして
「その必要なものを得るためには」←ここにファンタジー要素が欲しかった。
まぁ、そうしてしまうとタイトルが税金対策にはなりませんけどね。