5分後に涙が溢れるラスト

この本を5分で読んではいけない。

なぜなら、もったいないからである。

もくじなど

河山文庫 / エブリスタ編

~ タイトル ~ …著者
不変のディザイア …piamo
うばすて課 …森まる
ぼくが欲しかったもの。 …遠坂カナレ
隣の家のホームレス …蓮丸
なつのかけら …北沢あたる
レシピ …raku
もしも最愛のあなたとの約束を守ったとしたら …Nemesis
38℃に想いを込めて …深山琴子
ひじきのこころ …まどろみなも
渡せなかったプレゼント …吉野葵
彼女の嘘と俺の隠し事 …今野綾
コバルトブルーに切り取って …三葉スイ
さよならはみどりいろ    …麦谷邦世

本の概要 ※私の理解

「短い時間でも、人生変わっちゃう」というキャッチからの商品説明
確かに、自分にとって衝撃的であったり、強く共感できる本を読んだ時、人生観が大きく変わるかも知れません。

ですが、私はこう言わせて頂きます。

「誰かの人生、想像してみると感動できる場面が多いよね」

と。

5分で読んで欲しくない理由

本のコンセプトから「5分後に…」というタイトルとなっていますが、
通常であれば、1話あたりだいたい10~15分ほどかかると思います。

そして、私が2話目を読む時に意識したのは、
 「1ページもしくはある程度の段落で読む手を止める」
でした。

登場人物の状況、想いや情景を想像するために目を閉じます。

これが小説の読み手としての最大の楽しみ方だと私は思っています。
表現の限られた文章から自分が何を想像し描くのか。

この本の最大の強みである『とても短い』との相性がとても良いですね。

100ページ、200ページと書き綴られている物語を読み進めていくなかで感情移入していくのが一般的ですが、
本書の場合、10ページ少々で1話が終わってしまいます。
表現されていない部分は自分で想像して映像にしてみるのは如何でしょうか。

きっと、最後の1ページは涙腺にくるものがあると思います。
 
 

本書から得た楽しみ

物語の最初と最後だけ読んでも、面白さは半分以下ですよね。
ですが、本書から「想像すること」の楽しさを得ることができました。

そうすると自分の日常のひと時に見えるあの人、
実は今から感動するような場面に突入しようとしているのかも知れませんね。
または、
そこで泣いている小さな子供も、自分のなかで想像するとその悲しさも共感出来てしまいます。
困っている人がいたら、助けてあげたくなりますね。

そんな風に、私の心に『気づき』を増やしてくれた1冊でした。

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